スキー板の種類
スキー板には『オールラウンドスキー』『オールマウンテンスキー』『フリーライドスキー』『レーシングスキー』の種類があります。初心者向け、中級者、上級者におすすめのタイプを選ぶことが大切です。テクニックがない初心者が中級者向けなどのモデルを選んだ場合は扱いにくく、安定した滑りができないでしょう。スキー板の種類を以下の4つのタイプから解説します。
- 初心者向けなら『オールラウンドスキー』
- 中級者には『オールマウンテンスキー』
- 深雪のバックカントリーには『フリーライドスキー』
- 上級者や競技用には『レーシングスキー』
初心者向けなら『オールラウンドスキー』
オールラウンドスキーは初心者向けと言えます。スキー板の先端部分と後ろの部分より中央部分の幅が約70~90mmと狭く軽いのが特徴で、押し固められた圧雪のゲレンデ向きのスキー板です。ゲレンデの表面に凍結もなく、デコボコといったコブもない整地されているゲレンデの操作性を重視したスキー板で初心者でも安心して滑りやすいと言えます。初心者が最初に覚える最も簡単で基本的なターン(ボーゲン)がスムーズに行えるように重視されているスキー板です。
中級者には『オールマウンテンスキー』
オールマウンテンスキーは中級者向けと言えます。圧雪され、整備されているゲレンデの滑りをマスターした人が整地されていないゲレンデ外の場所で楽しめるように重視されているスキー板です。センター幅が約90~130mmと広く、深い雪、新雪でも板が沈んでいってしまわないようなデザインとまた取り回ししやすいように柔らかめの硬さが特徴です。幅の広さによって浮力が生まれることで板が沈まずに滑ることができます。そのため、深い雪、新雪以外の水分の多い雪面でも扱いやすいです。
深雪のバックカントリーには『フリーライドスキー』
フリーライドスキーは深雪のバックカントリー向きと言えます。幅が狭く、先端部分(トップ)と後方部分(テール)が反り上がっているのがフリーライドスキーの特徴です。これにより先端、後方どちらでも着地しやすく、また後ろ向きで滑ることも可能で、さまざまな滑りが楽しめるスキー板と言えます。そのため、深雪のバックカントリーでの滑りやジャンプ台を使ってのジャンプや回転したり捻ったりする技に向いているスキー板と言えるでしょう。
上級者や競技用には『レーシングスキー』
レーシングスキーは、上級者や競技用に向いていると言えます。
板のセンターの幅が60~70mmくらいと細めで、エッジの食いつきがよくなるように板が硬く、また板のねじれ(トーション)も強めに作られています。これにより、余計な抵抗を受けないのでスピードを出すための素早いターンからターンへの切り替えがスムーズです。そのため、障害物の間を素早く滑りながらタイムスピードを競う競技用に向いているスキー板と言えるでしょう。
スキー板の形状
初心者から中級者向けの『キャンバー』をはじめ、上級者向きの『ロッカースキー』や『カービングスキー』『ファットスキー』がスキー板の形状です。自分に合っているおすすめのスキー板を探すためには、形状別の特徴を理解しておくことが大切です。スキー板の形状を以下の4つのタイプから解説します。
- 初心者から中級者向け『キャンバー』
- 上級者向きの『ロッカー』
- 小回りが効きやすい『カービングスキー』
- 深い雪面でも沈み込みにくい『ファットスキー』
初心者から中級者向け『キャンバースキー』
初心者から中級者向けなのが『キャンバー』です。キャンバーは、板の中央部分が地面から弓なり状に浮き上がっているアーチを描くような形状をしています。アーチ形状のため、板の先端部分から後方部分までスキー板全体に圧力をかけやすいのが特徴です。板全体に圧力がかけられるので雪面と接触していることが長くなり、コントロール性が高くなります。アーチ形状により反発力があり、ターンなどもしやすくなります。しかし、雪面と接触が長いのでエッジが雪面に入りやすく、引っかかりやすいことを知っておきましょう。上級者向きの『ロッカースキー』
上級者向きなのが『ロッカー』です。ロッカーは『キャンバー』と真逆の板の先端部分と後方部分が弓なり状に浮き上がっている逆アーチを描くような形状をしています。逆アーチ形状のため雪面と接触が少なく、またスキー板全体が短く感じられて操作がしやすいのが特徴です。雪面と接触が少ないので直線での安定感は『キャンバー』より劣ります。また浮力が増すので『キャンバー』のような雪面に引っかかることは少ないと言えるでしょう。小回りが効きやすい『カービングスキー』
小回りが効きやすいのが『カービングスキー』です。『カービングスキー』は板の中央部分の幅が細く、先端と後方部分の幅が広くて、雪面と接触しやすく操作性に優れています。中央部分の幅が細いことでスピードを落とさずにターンなどの操作ができます。先端と後方部分の幅が広いことで乗った時の中央部分の浮きが防げます。また、カービングスキーは一般的なスキー板より長さが短いのが特徴で、エッジが立てやすい形状です。深い雪面でも沈み込みにくい『ファットスキー』
深い雪面でも沈み込みにくいのが『ファットスキー』です。ファットスキーは、『キャンバー』や『ロッカー』などよりも中央部分の幅が太く、浮力があります。そのため深い雪面でも沈み込まないで滑れるでしょう。深い雪面は『キャンバー』や『ロッカー』でも滑ることは可能です。しかし、板が沈み込みやすく、コントロールするのに苦労するでしょう。その点『ファットスキー』は浮力により浮きやすく、沈み込みが防げるので苦労せずにスムーズな滑りを楽しめます。スキー板の価格帯
スキー板は安いもので3万円ほどから高いものは10万円以上と、幅広い価格帯で販売されています。
一般的に、価格が高いスキー板の方がスピードに強くなります。雪面にエッジが食い込みやすく、走行中に板が抜ける可能性が低くなるなど滑走性能が高い傾向です。また価格が高いスキー板は、板の剛性が高く硬くて重い素材を採用するなどスピードを出した時のズレが少なく安定性が高いと言えます。しかし、価格が高いスキー板と言ってもスキーのレベルによって取り扱いにくいものがあり、自分のレベルに合った板を選ぶことが大切です。
テクニカル合格にはスキー板選びがポイント
スキーのテクニカル検定の合格を目指す人は、スキー板選びがポイントと言えるでしょう。テクニカル検定を受ける人は回転半径を意識してターンの質があげられるスキー板を選ぶことが大切です。回転半径15m前後が基準とすれば、15mより小さいのは小回りしやすいスキーと言えます。回転半径R14とか15では小回りするのは大変です。つまり、テクニカルを受ける人はR11.5から12といったようにRの小さい板を選ぶようにしましょう。コブ上達のためにおすすめのスキー板
どのようなスキー板を使えばコブが滑りやすいのでしょうか。コブを滑るうえで大切なのが板の幅、硬さ、横ずれの少ないことです。スキー板の幅が太すぎると板の先端部分が重くなります。板の幅が広いと細めの板より面になるまでの時間がかかり切り替えが遅れるでしょう。そのため、コブを滑るには細めの板がおすすめです。板に硬さがあるとコブの反発を受けやすくなり、また硬さからたわみが出にくく滑りづらいでしょう。横ずれが多いとズラシが上手にできません。そのため、コブを滑る時は横ずれの少ないスキー板を選びましょう。スキー板の選び方
次はスキー板の選び方を紹介します。選び方は、『スキーレベルに合わせる』『長さや太さで選ぶ』『軽さや種類形状で選ぶ』のがポイントです。自分に合っているおすすめのスキー板を選ぶために、これらの選び方のポイントを知っておきましょう。スキー板の選び方を以下の5つのポイントから解説します。- スキーレベルに合わせて選ぶ
- 長さや太さで選ぶ
- 軽さで選ぶ
- 種類で選ぶ
- 形状で選ぶ
スキーレベルに合わせて選ぶ
失敗しないスキー板の選び方は自分のスキーレベルに合わせて選ぶことです。スキー板には、『オールラウンド』『オールマウンテンスキー』『フリーライドスキー』など、さまざまな種類があります。初心者はゲレンデ内で楽しむことが多いでしょう。ゲレンデ内で楽しめる目的で開発されたのが『オールラウンド』です。初心者はまずは『オールラウンド』モデルを選ぶとよいでしょう。ゲレンデ内に慣れた中級者は『オールマウンテンスキー』モデルがおすすめです。上級者や競技に参加する人は障害物を通りぬけるなど操作がしやすい『ロッカー』モデルを選ぶとよいでしょう。長さや太さで選ぶ
まずは長さとサイズの確認が大切です。長さは身長からマイナス5~10cmが目安と言われています。特に初心者は長いスキー板に乗って移動すると、うまくスキー板を操れないので注意しましょう。初心者の男性は160~170cmほどのモデルを、女性は155~165cmほどを選ぶとよいでしょう。長さの次に大切なのが、スキー板の前部・中央部・後部の幅の太さです。スキー板の中央部の幅は太すぎても、細すぎてもバランスがとりにくくなります。初心者は70~90mmほどがよいと言われています。軽さで選ぶ
スキー板は軽いとコントロールしやすいと考えがちです。確かに軽いスキー板は操作性はよいでしょう。しかし、自分のスキーの技術レベルや滑る場所によって選ぶことも大切です。圧雪されていない場所やコブのある場所を滑る、また初心者は軽いスキー板を選ぶとよいでしょう。一方で、重いスキー板は操りにくい反面、安定性が良いのが特徴です。そのため、スピードを出しても安定しています。スピードを出してスキーを楽しみたい中級者~上級者向きと言えます。